01. DivineDivinity(ディバインディビニティー日本語版)

Divine Divinity 完全日本語版 特製攻略ガイドブック付

Divine Divinity 完全日本語版 特製攻略ガイドブック付

正統的で贅沢な、最後のスタンドアローンRPG

初回で、ちょっとマニアックな洋ゲーとりあげるというのもなんですが。たまにミソ汁をむしょうに飲みたくなるように、オーソドックスなRPGゲームをやりたくなります。ドラクエやるって手もあるンでしょうが、コレにめぐり会っちゃった。
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本作は、(今どき少ない)シングルプレイのオーソドックスなRPG洋ゲー、PCゲームです。オンラインではないです。知ってる人は、往年の外国ゲーム、『Diablo』や『Ultima』などからグラフィックやユーザーインターフェース含めて非常に影響受けてることにすぐ気付くでしょう。2ちゃんねるでは、「あらゆるゲームのいいとこどり」といわれました。いい意味でそんな感じ。
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だけど、実はこのゲーム、なによりも『指輪物語』『ロード・オブ・ザ・リング』にリンクしてると思うんです。正統的ファンタジーの仮想体験ゲームという意味で。
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指輪物語』の神話性

書籍『指輪物語』に感じる魅力ってなんでしょ。もちろんファンタジーの源流だからそこからウダウダとも考えるんだけど、「ファンタジー」って言葉は今はものすごくいろんな意味を含んでる気もするし、読んだ人にずっとまとわりつく(いくつになっても「いいよねェ」と思わせる)ような感じからすると、魅力の一つに神話性があるのでしょう。現実から何層かずれた異世界での、世界救済の物語は単純にカタルシスがあるし、実際の神話、現実の宗教の規範や原典ほどに深刻にならずに楽しめちゃうもんです。映画『ロード・オブ・ザ・リング』3部作でメジャー感もあり、深く、広く支持されてる作品ですよね。
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DivineDivinityは、そうした「指輪」の(ような)世界に自分がどっぷりひたれるゲームです。「そういうの他にいくらでもある」という人もいるでしょうが、僕にはこれがよかった。だって、『ロード・オブ・ザ・リング』のゲームより『指輪』っぽいんだもん。ちなみに、Divineは「神々しい」、Divinityは「神性」「神」「神学」などの意味らしい。つなげると、どんな意味なんでしょうね。
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DDライフ【ややネタバレ】

このゲームは雰囲気いいんです。起動時いつも迎えてくれるBGMが、ゴシック調の重厚な曲で、あの『もののけ姫』の米良さんみたいな素敵なボーイソプラノが流れます。厳かな宗教ぽい音楽ですが、僕的にはちょっぴり笑えたりもします。ゲーム世界の住人達は非常に饒舌。善悪いろんなタイプがはびこっている人間、口汚いが芯の強そうなドワーフ、温厚で気高いエルフ、とにかくクリーチャーなオークなどなど。 ね? 『指輪』ぽいでしょ。
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物語は、序盤の村でアンデッド(骸骨とかゾンビとか)と戦いながらクエストをこなし、やがて外の世界に繰り出してからは、ゲーム世界全体の成り立ち、その中でのプレイヤーの使命が徐々にあきらかになります。それは、この世界を混沌の神から救うため、知的種族の代表者が集まる「七種族評議会」を開催するということなのですが…  ね? 『指輪』ぽいでしょ。
DDライフと呼びたいパートは、中盤から城に入るまでですが、この間クエストという使命をプレイヤーの自由意志でこなし(全部やらなくていい、順番も任意)、経験値をため装備を強化しというRPGのオーソドックスな楽しみがあります。
例えばある時、プレイヤーはトロル(敵)からの襲撃をからくも逃げのび、暗く夜もふけた農村地帯を走っておりました。休みたい、暖をとりたい。たまに会う付近の住民に怪しまれながら、なんとか宿屋を見つけます。「青イノシシ亭」。中に入ると画面は黒からまばゆい光へ。ドアの向こうは、エールを飲み交わし酔っ払った人々の笑い声、ケルト民謡ぽい音楽が気持ちを和ませます。バーテンに話し掛けるとなにか含んだ口髭がこちらを向きます。「いらっしゃい」。次のクエストの予感がします。とこんな感じです。 ね? 『指輪』っぽいでしょ?
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最後のRPG

オーソドックスな(または古臭い)RPGは、物語重視のRPGゲームが増えた日本では触れる機会が少なくなるのかもしれません。加えて、本作のような洋ゲーは、自由度が高く、難易度のバランスがよくないので、誰もがやるゲームとはいいづらい。ボリュームもあって、僕は二ヶ月間、週末を潰しちゃいました。これから本作のようなRPGをまた自分がやりたくなるのかわからないのですが、ここまでオーソドックスでかつ大好きな『指輪』の世界を(自分の中で勝手に)堪能できたことは嬉しいことでした。