31. 仁義なき戦い

仁義なき戦い [DVD]

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麻薬的大作

お久しぶりのエムリンクmLink。「仁義」シリーズ(5本!)をいっときます。最初にいうと、とりたてて一本一本がめちゃくちゃ面白いとは思わないんですが、麻薬的魅力でやめれなくなる、パワーある作品なのでお時間あるときにどうぞ。(もう本当に)
内容紹介です。

 チャーーン!!  チャララら〜! ♪
 …
 ドゥンダン ドゥンダン 〜 ドゥンダン ドゥンダン ズチャッチャッ♪
 ドゥンダン ドゥンダン 〜 ドゥンダン ドゥンダン ズチャッチャッ♪

戦後、広島 呉市の復員兵、広能昌三(菅原文太)は、若者仲間とともに、まだ弱小組織であった山守組の舎弟となる。壮絶な縄張り争いや内部抗争をめぐり、非常で冷酷な男達の闘いを描く、「実録ヤクザ」の物語である。
実際の事件を基にしたお話です。が、ストーリーの妙に興ずるものでもないような…。話の展開、登場人物の動きがあわただしすぎて、もう途中からは「…で、次は一体誰が殺(と)ラレルノ?」となっちゃいます。しかしシンプルなバイオレンス描写が、本能的にやみつきになります。なお、広島弁が面白い。「…すればいいじゃない?」「のォ〜?」なんてのも新鮮で癖になっちゃった。
レザボア・ドッグス [DVD]
本作に興味もったのは(多くの人がそうだと思うけど)、クエンティン・タランティーノ作の映画が好きだから(笑)。本作に近いとこは、『KILL BILL』よりも『レザボア・ドッグス』かしら。本作の魅力である迫力ある演出の影響など、よく目にしますよね。
キル・ビル Vol.1 & 2 ツインパック [DVD]

実力派俳優 何回転? 【ややネタバレ】

このシリーズとっても面白いところがあって、一度殺された役をやった俳優が、別な役に生まれ変わってまた出てきます。で、また殺されます。
「仁義なき」非常・残酷がウリの作品ですが、「あ、タッチャンまた出てきた」となるあたり、ほのぼのとあったかい気持ちにもなれます。
回転数多い人達みてみると、梅宮辰夫(タッチャン 眉毛あるのとないの)、松方弘樹(ヒロキ 色白→色黒→他 3回くらい死んじゃう)、川谷卓三(タクゾー 3回?)、北大路欣也(キンヤ 準主役級2回)、渡瀬恒彦(ツネヒコ)などなど。
オールスターキャストということで、こういうつくりなのか、おおらかです。手塚漫画とかでキャラクターシステムというのを聞くけど、さすがに一度死んじゃった役者でてこないよなぁ。だけど、次に誰が「また」出るかというも大きな楽しみの本シリーズ。
さて逆に、無事に役をまっとうする俳優さんは、主役の菅原文太(ブンちゃん)、小林旭(アキラ カッコイイ!)、金子信雄さんとかですね。
ところで、金子信雄さん演じる山守組組長というのが、また異色な人物で、老獪な親分で自らは暴力は苦手、いつも若者を利用する(ヤクザというより)事業家。必殺技は情けない泣き落とし。この役がもう、憎らしくて、憎らしくて、やがて愛しちゃう、という感じなのです。
本シリーズでは、昔の日本人のカッコヨサとか、卑怯さとか、それらが堪能できる。
豪華な俳優陣が大きな魅力の作品だと思います。

若者寄り

最後に少し意外だったこと。俳優陣が(当時)若手の方がいっぱいでてるのもそうだったのですが、作品のテーマが「犠牲になる若者たち」というのが前面にあります。「若い力を導くのは大人次第」というか。なので、「この頃は、邦画界自体が若々しかったんかな〜」と、余計なことまで思ってしまう。
L.A.コンフィデンシャル [DVD]
正義の若者、年寄りの腐敗、そして、政治での収束という作品で思い出すのは、『L.A.コンフィデンシャル』。
こういうのアメリカ的な話かと思ってたんですが、日本にもこういう気分の時代があったんですね。
バトル・ロワイアル [DVD]
バトル・ロワイヤル』は全く逆だしね。面白いですね。