16. BECK

BECK(20) (KCデラックス)

BECK(20) (KCデラックス)

音出す漫画

本作は、只今アニメ版が放送されているそうです(テレビ東京にて毎週水曜深夜25時)。ライブシーンどうすんだろ…
内容紹介。平凡な中学生だった主人公が、ある男(青年)と出会って、ロックバンドを始めます。そして自分の持つ音楽的才能に目覚め…。途中までは、少年漫画の青春ストーリー路線なのですが(主人公が妙にもてたり)、グレイトフルサウンド(富士ロックみたいなもん)<10巻>での圧倒的なライブシーンなどを経て、これまでになかったような、本格的ロックバンドの物語が展開しております。
雰囲気としては、実在ロックバンドのドキュメンタリー洋画のような感じもしたり。
ゴリラーマン (1) (講談社漫画文庫)
ハロルド作石作品はほかに『ゴリラ−マン』が昔はやったけど、僕は苦手だったんだよなぁ。本作は素直なギャグが多くて、構えずに楽しく読み進められます。

音楽を漫画で聴くリンク

音楽での天才的なキャラクターを描いた漫画いくつかありますよね。表現するの凄く大変だと思うんだけど、それだけに面白い作品がそろってる気がします。いくつかリンクを。
のだめカンタービレ(10) (KC KISS)
のだめカンタービレ』は、クラシックの世界で、破天荒(汚な好き・オタクなど)なピアニストの主人公と、相方の指揮者志望の天才男の子が織り成すステップアップストーリーです。サクセスかどうかまだ分からないので、勝手につけました。恋も夢も、ということで。
こちらもギャグが面白くて「次。次!」と読めます。音大の雰囲気も楽しい。相方の青年がなんでもできちゃうところは、『BECK』と逆で少女漫画ぽいと思うのですが。読み比べると面白いかも。
神童 (1) (Action comics)
天才性に、よりフォーカスした漫画は『神童』です。こちらもクラシックで、天才ピアニストの少女(小学生)が主人公。天才性の証は「耳」に集約されるようなのですが、それを描くのに1巻では野球のシーンが妙に長かったりして、なんだかおかしい。絵の世界では「目」らしいですね。だけど、天才性を描いたうえでのシメ(エンディング)は突き詰めています。読後の充実感は折り紙つき。
NANA (1)
逆に、天才性はさらっとしてて、いや音楽性もひょっとしたらさらっとしてて、人生を丹念に描いているのは『NANA』です。こちらは、絶大な人気を誇る作品で、今度実写映画化されるそうですね。ヘビーな題材もあって、雰囲気は作中でも触れてる『シド・アンド・ナンシー』。
シド・アンド・ナンシー [DVD]

漫画のワクを揺らせ!

本作の特徴は、これまでにない臨場感のあるライブシーンだと思います。そのピークは、上でもかいた10巻のグレイトフルサウンド(G・S)なのですが、オススメというよりもさらに、漫画好きな人には誰でもが触れて欲しいシーンです。音が、聴こえてくる。
カタイいい方をすれば、漫画という表現のワクを越える瞬間に立ち会えます。あたかも自分がG・Sの野外ステージの客席にいるように。
今続いている展開は、デビューまでの道のりをすごく丁寧に、リアルに描いています。音楽業界の取材を緻密にしているのかな。本格ロックだから、むしろ海外の音楽シーンにつながったりするところも、少年漫画としては型破りな感じがします。
キャプテン翼 1 (集英社文庫(コミック版))
例えがアレですが『キャプテン翼』で日本のサッカーが強くなったように。将来『BECK』を読んだ日本のロックバンドがボッコぼっこ海外デビューしたら、まったく痛快なことです。若い人に特にオススメの漫画です。